いろんな国の人達を相手に仕事してきた経験から言うと、なにかが決着するまでにとにかく時間がかかる、プロセスの面倒くさい国というのが2つあって、それがインドと日本。だから、今回の休業補償や補償全般、またCOVID-19の検査の基準などが日本で全く決まらずウダウダウダウダしてきたことに対し、特に新しい驚きはない。
ただ、インドの宣言4時間後の13億人ロックダウンは、これはこれで驚かない。インド人は結論ありきで動くから、だからその結論を得るためならどれだけ時間を費やしてもいいという姿勢で来るわけで、結論まで一直線に到達できるなら話はめちゃくちゃ速い。
日本での物事に時間がとにかくかかるのは、自分の責任/判断でモノを決める習慣が全くないから。とにかく何でも指差し確認、承認、凛義、許諾、手続き、etc.etc…だから逆に「決定権」を持つ人のパワー(権力)が過剰に増幅されてしまうんだろう。でもそれは、権力の顔色を伺うことに馴れてしまった個々が、小さな決定さえ回避しようとするから。
裏を返せば、小さなエラーひとつによって負わされるペナルティつまり罰が不相応に大きいから、ともいえる。エラーの結果なにかを失うと、その失ったものを回復するのがとても難しい/面倒くさい。転職や留年などによって、時に大きな不利益が生じる「セカンドチャンス」の難しさも、その表れのひとつ。
個々で判断することがリスクと見做される社会だからこそ、個々の判断をした人に責任を押し付けることになるし、それが結局あの「自己責任」論へと結びついているのではないかと考えつつ、角瓶。
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