我が家のトイレは毎年妻が古巣の職場から譲り受けてくるDNPのアートカレンダーシリーズで、今年、2020年のは「トロント」のアートが月替わりで楽しめる。アートも良いんだけど、余白がたっぷりあって、落書きできて楽しいんですよ。トイレに4色ボールペン。
……で、俺もそろそろ「絵描きの端くれ」くらい自認してもいいかなと思えるようになってきたので、よし、ここはひとつ普段ろくになにも教えてやれない子供達に絵の見方をさりげなく教えてやろう、なんて思いついてこの冬山の絵を観て思っていたことを横にメモしたわけです。
> Q.疑問:「ひなた」の側に雪が残っていて、「日影」の側に雪が無いのは不自然ではないか?
――そして待つこと1週間ほど。待望のレスポンスが画面上部に! これは中1息子の字だな。まあ冷めた高1娘がこんな遊びに付き合ってくれるわけもなく。……なんて書いてきたのかな〜? わくわく。
> A:風の無い日に雪が降って、それを次の日正午に見たら、ひなたにしか雪がなかった。
※謎の図解付き。
「????」
どういうことだ? 意味がさっぱり分からない。風が吹かないと日影には雪が降らないの? しかし考えて反応を示してくれたんだから、ここはこちらも食い下がらなければならない。
ということで、1月も終わろうという今夜、2月のページに移ってしまう前に意を決して息子に訊いたわけです。
「あれ、どういう意味?」
俺をトイレに連れて行って、図解を指差して一生懸命説明を試みる息子。
「だから、風がないから屋根のしたには雪が降らなくて、それで翌日になったら屋根のない場所、つまり日の当たる場所にしか雪が積もらないじゃん」と、息子。
「???」
やはり、やはりサッパリ意味が分からない。もしかして山頂にかかる雲を屋根に見立てているのか? 屋根だと思っているのか? こいつ、絵を観るセンスが独特すぎないか?
「もしかして、あの山のてっぺんの白いの、屋根だと思ってる?」
「え?」
「だってこの絵、見てみてよ。なんで日影の山肌には雪が残ってないのに、ひなたの側にだけ雪が積もってるの? 変じゃない?」
「え?? 絵の話だったの?」と、息子。
どうやら俺の意図は完璧に空振りだった模様。最近の子供達の読解力の低下が問題になってるって記事をどこかで読んだけど、読解力の問題で片付けて良いのだろうか……
ちなみに、Lauren S. Harrisという20世紀初頭にカナダ絵画のスタイルを開拓したセブン・グループという画壇の一人ということらしく、この絵のタイトルは「Mt. Lafroy(ラフロイ山)」1930年の作品。
顔がなんだかちょっとイケスカナイ。
あとうちは男性(俺と息子)は字が汚くて、女性(妻と娘)は字がきれいで読みやすいです。みんな字が汚いわけじゃないです。
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