■ エヲカク ■

2017年01月31日

フィリップ・K・ディック、まさかな思い出

ディックの『高い城の男』の、最初の翻訳者が、俺の育った実家の裏に住んでいたエキセントリックなジジイだったと今日知った。あの人あそこでそんなことしてたのか。埼玉のど田舎で。

ひどい夫婦喧嘩するジジイだなと、幼い頃に思っていたけど。変人だったんだな。じゃあ仕方ない。。

ジジイは俺がその後ディックを読むとは思っても見なかっただろう。そんな田舎。

雑木林と水田や畑の広がるような。空が広くて、夜は星が明るかった。

あそこでディック訳してたのかよwww  めちゃ近くにいたw

ジジイが翻訳者だということは、翻訳という仕事もよく知らないまま、中学生の頃になんとなく知った。『私のなかの他人』という多重人格者の本を、本棚にあった彼の訳書を読んだからだ。

とにかく怖かった。ホラーのようなジジイだった。

ジジイが泣き叫ぶ奥さんを追いかけてきて、うちで飼っていたうずらの鳥かごの上に押し倒した。籠のうえに押し倒された奥さんを、うずらが飛び上がって、小さな嘴でつついていた。うずらの跳躍力を、俺はその時に知って、あれは感動だった。

まさかあのジジイだったとは。。

うずらも怖かったことだろう。

まともな大人はいなかった。けど、自分が大人の年齢になって、それも仕方ないことなのだと、なんとなく知るに至った。

子供達を怖がらせないようにしないと。。

ちなみに俺の初ディックは多分、スキャナーダークリーのペーパーバックの英語版。あのジジイもきっと同じ本を読んでいたんだな。。アーメン。

posted by マリオ曼陀羅 at 04:53| Comment(0) | TrackBack(0) | book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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