■ エヲカク ■

2011年09月14日

【Gensler / WA "和"】出展しますよ

gensler_wa.jpg※ クリックで拡大

Gensler Art Show
2 Harrison Street Suite 400
San Francisco, CA 94105
September 29th to December 2nd, 2011
www.gensler.com/
info: +1.415.433.3700

 まだ地震の前。原発の爆発する前。たしか2月だったと思う。

 サンフランシスコの Gensler という会社から「日本にちなんだ美術展をするので参加を…」という打診がきた。
 知名度もキャリアも乏しいうえに、いわゆるアートの文脈で言うとまあアウトサイダーと言っていいような僕のところに来るような話は、そもそも多くないうえに、詳細を探ってゆくと怪しいというか、営利目的の営業活動であるようなことも多いのが実情。もしくはきちんとしたギャラリーなどからの提案であっても、こちらには負担ばかりの話ということもある。
 なので「またか」と思ったけど、一応 Gensler なるものを調べてみたところ、どうやら大型店舗や公共の建造物などを主に手掛ける、大手の建築デザインの会社であることが分かった。各国に事務所を構えているようで、上海のユニクロとかも手掛けたりしているらしい。日本にも青山に事務所があった。
 青山の事務所に電話してみると「そういうのは本国の企画/仕切りなので、日本では把握しておらず、対応できません」とのこと。
 問い合わせしてきたさんフランシスコの担当者に詳細を訊ねたところ「正式にいろいろ決まるのは8月に入ってからで……」という返事。

 そこで地震、津波、原発。

 仕事だ子供達だ放射能だと、特に慌ただしかった三月以降、うっかりこの誘いについても忘れかけていたけど、七月、そろそろもう八月かぁというときに、はたと思い出し、担当者に「あの件どうなった?」とメール。

 そんなこんなで、マリオ曼陀羅(3作品x5点)とりあえず海を渡って、そろそろサンフランシスコに着くころ。
 サンフランシスコへは、もう14年も前に、当地に留学していた友人を頼って出掛けて一週間ほど滞在したことがあるだけだが、気持のよい町だったなあ。古くてボロいカルマンギアがまだそこらじゅうに走っていて、街の空気と溶け合っていた。
 
 原発のことなどもあって、国外に出るのも悪くないな、またサンフランシスコへ行きたいな、などと思っていた時にこんな話になったので、「引き寄せの法則か?」と思ったものの、どうやら29日のオープニング・パーティーについては、「ぜひ参加していただきたいです! でも旅費は出ません!」ということだったので断念。

 まあいいや。

 この5月にハワイ島の人が僕の絵を買ってくれそうになった時には、オッケー! ハワイにこの絵があったら嬉しい! とわくわくしたものだが、今度はサンフランシスコに、絵が実際に行くということで、オッケー。

 ぼくの代わりに良い空気を吸ってきてください。
 
"WA | an exhibition of the Japanese Art of Harmony"

"The manner in which a variety of art comes together to expess the beauty of Japan.
WA is the literary element of universal peace | the circle is infinity, harmony,universe."

 って、これそのまんま僕のステイトメントと親和性ばっちりのコピーがあって驚く。

 ポスターや企画のイメージは、ものすごく欧米的な視点でとらえた、典型的でベタな「和」なのだが、こういう「和」というのが、やっぱり「日本」の記号的イメージのひとつとして根強いんだよね。ポップ・イズ・クールなジャパンNIPPONもあるんだけど、ブシドー、ゼン、JAPANみたいな。OTAKU文化というか、クール・ジャパン的なものが、なんか先行しすぎている感じがするんだよね。それらを過度に先行させたがっているというか。
 そんな日本の今のドメスティックな嗜好性や文化も、まあ好きと言えば好きな部分もあるんだけど、やっぱりそんな日本のセルフイメージと、外から見た日本のイメージとの乖離というのが今もって小さくない思うし、それについては勿体無いなと感じることも多いので、このデザインでこの企画趣旨が送られて来た時には、なんだかちょっと嬉しかった。

「そうそう、日本ってある意味ずっとこんなところあるよ!」
 
 ということで、サンフランシスコへは、またいつの日か。
 運が良ければ、今回飛ばした絵が、あちらで誰かを捕まえてくれたりすることもあるでしょう。
 それに期待!!
 
 
 
 
 


posted by マリオ曼陀羅 at 06:07| Comment(0) | TrackBack(0) | art | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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