人通りの多いロビーだけに、またなにか面白いことの切欠にでもなればいいなと思いつつ。
週末の土曜の夕方、妻と子供ふたり連れて、軽く祝杯でもということで、ホテルに出掛けて作品展示を眺めて、子供にちょっと自慢して、スナップショット撮って、ホテル横のフレンチのカフェ・レストラン、AUX BACCHANALES(オーバカナル)で白ワインとパテと温製カキ。子供たちにはソーセージとフレンチフライの盛り合わせにクロックムッシュ、それとパテのバゲットで早めの夕食。どれも美味だった。
こういう幸せな出来事がスパイスとなって食べ物と結び付く感じというのはとても良い。
物が動くとエネルギーが発生するから、それならやはり動かした方が良いわけだけど、そのための機会に恵まれるというのは本当に有り難いことだなと、大きなホテルのロビーを飾った連作を見てしみじみと感じ入った次第。今回のこの機会を与えてくださったAsian Collectionの大橋人士さんとボブさん、それから未だ見ぬホテルの担当者の方に改めて感謝をしつつ、満腹ほろ酔いのバスの窓から、今となっては懐かしい六本木通りの、特に西麻布の交差点からその先渋谷までの景色をぼんやり眺めて時間の経過を知った。このバスに乗るのが日常だった20世紀最後の数年間。当時はまだ絵を描きはじめてすらいなくて、また絵を描く予感すらほとんどなかった。
絵を描きはじめたことによって生まれたエネルギーに作用されまくっているその後の人生。このような記念の日がひとつずつ増えてゆくっていうのは、自分のイデアのそのままの発露が宇宙に肯定的に受け入れられ、溶け込んでいっているようで、気持ちが良いのと同時に、なんだかとても「ほっ」とする。
では、写真:
この夜はいったん帰宅して子等を寝かせて、そのまま眠りに落ちそうになったがギリギリで耐えて目覚め、深夜近くになってからまた渋谷へ。ローランド・ケルツが日本におり、ぜひ会おうという約束になっていたので、夜の街へ…… ものすごく長く、内容の濃い一夜になってしまった。楽しかったけど、骨の髄まで疲れて朝方に帰宅。泥のように眠るっていう表現があるけど、そんな感じで眠ったのではないかと思う。
日曜日は午後になって起き出して、とにかく外界をシャットアウトして、子供と遊ぶ。辛くて美味しいものを作って食べたくなって、麻婆豆腐を作って山椒を炒ってビリビリ痺れようと思っていたら、冷蔵庫に消費期限の迫った鱈と浅蜊があったので、豆腐、白菜、蓮根、ニンジン、大根、ニンニク、アミの塩辛、日高昆布、煮干し、乾燥小エビなどなどぶち込んで、酒と味噌と醤油と胡麻油で軽く調味してチゲを作った。子供用には辛くできないので、大人用、というか自分用に、たっぷりのゴマ油におろしニンニクと唐辛子粉をドカっと入れて炒め、できた激辛ペーストを、チゲの鍋から掬ったスープでのばす。これを熱々のチゲに遠慮なくドバドバ加えて、汗まみれになり笑われながら満足の夕食。
幸せで、とても良い週末だった……。
このような形で贅沢な時間を過ごすことのできる有り難さを、どう表現すれば良いのだろう。それを常々思う。感謝。まずはそこからか。
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●展示情報●
ANAインターコンチネンタルホテル東京
107-0052 東京都港区赤坂1-12-33
電話番号:03-3505-1111 Fax:03-3505-1155
【access】
http://www.anaintercontinental-tokyo.jp/access/index.html
【展示場所】
ホテル・ロビー(2F)のフロントデスク前