滋賀県彦根市は6日、第2回舟橋聖一文学賞に、作家の荒山徹さん(47)の「柳生大戦争」(講談社)を選んだと発表した。賞金は50万円。第20回となる舟橋聖一顕彰青年文学賞の最優秀賞(賞金50万円)には、名古屋市昭和区、中京大文学部2年河島光(あきら)さん(20)の「僕らの諸事情と、生理的な問題」、佳作(同10万円)には大津市、会社員小出まゆみさん(26)の「冬がはじまる」を選んだ。
舟橋聖一文学賞は昨年設けられ、過去1年に出版された単行本の小説から選ばれる。青年文学賞は18〜30歳を対象に作品を公募している。
http://www.asahi.com/kansai/entertainment/news/OSK200811060081.html
2008年11月6日
------< 以上引用 >------
本のジャケットと扉の絵を描かせてもらった記念すべき一作が、珍しい文学賞を受賞したらしく、なんだか不思議な感慨を覚えつつ、深夜の梅酒。……というか飲んでいたところで、このニュースを発見。
近頃、自分の“創る”という事に関して、あれこれ煮え切らない思いを抱いていたところ、この異色の作家、荒山徹という人の、ある意味で天晴れと言うほどの奔放な創作の裏側には、果たしてどんな想いが渦巻いているのかなどと酔った頭を更に痺れさせながら、不思議を少し愉しむ。
この小説、仕事の依頼のあったときにゲラを読み、少々混乱した。変だもん。だけど上手い。
自分はフェティッシュを感じない種類の人間だなあと日頃から思うから尚更、この作家の描く世界の不思議さが異様に感じた。それはこの作家の作品世界を通じてフェティッシュの要素を持つあらゆるものへの違和感を覚えたからだと思う。
よく知らないが自分の弟や、身近な友人・知人にもそういう趣向を持った人達がいて、僕は常々そこに何かの違和感を覚えていた。
荒山徹という作家の、この作品『柳生大戦争』を読んで、悩んで、それで結局、そこに向き合って絵を描いてみようと思ったのは、この作家の腕前にやられたからだと思う。フェティシズムを隠れ蓑とした(というかそれもまたこの作家にとっての重要なポイントなんだろうなと感じながら)物語を妄想して恍惚としている様が、なんとなく見えた気がしたクライマックスの力に押し切られた形で、やっぱり描いちゃった、というのがその時の絵を描いていた心境で、ただそれすら今思い返せばの心境であって、その当時はその描写の鮮やかさと確かさにヤられていたんだろうなと思う。
この人はこれが好きでやっているんだ、やり切っているんだと感じ、自分のやっていることに対する自分の思いと、僭越ながら不思議なポイントで何かが重なってしまったのだ、と思った感覚は今でも思い出すことができる。
戸惑ったのは、この作家の悪ふざけを装った(?)、そのノリに付いて行けるか、行っても良いものか、悩んだ結果だったような記憶がある。同時に、これはふざけているのではないのかも知れないなと思ったのも事実。要は軽く混乱させられた。
くどくど書いたが、結局は作品を楽しんでしまったという事に尽きる。
知らない文学賞ではあるものの、そんなこんなで受賞は不思議で、しかし良いニュース。
未読の人は読んでみてください。
ついでに、荒山徹氏が現在『KENZAN!』という時代小説雑誌にて連載中の『柳生大作戦』の毎回の扉絵を、その縁で任せてもらっており、そちらもチェックしてみてください。僕の感じた困惑を共有してもらえると思います、そして、気付けば絡め取られているかも(他の作品も、勿論(?)スゴイ世界)。
独特っていうのは、意味のある言葉だと思い至ったニュースでした。
頭が痛い。
<関連: http://mario-mandala.seesaa.net/article/62101922.html >
2008年11月07日
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